公開フォーラム「北海道開教を問う〜大師堂爆破事件を通して〜」開催報告
今から約30年前東本願寺の大師堂(現在は御影堂と呼ぶ)が爆破されるという事件が起きた。その実行者である加藤三郎氏本人のお話を直接聞こうという企画であった。風雨の激しい中、スタッフも含めて約70名の参加を得た。近隣の僧侶の人も多く集まり関心の高さが伺えた。
お話は、自分自身の生い立ち(天理教の教会での生活)から、爆弾闘争に至る経緯と遍歴、様々な人との関わり、心境の変化、獄中でのあり方など、率直に語っていただいた。また現在は、山から花の材料を採ってきて市場に卸すという生業の傍らで、「自分を見つめる」ということに関心を持ち、心理学的療法とか精神世界に取り組んでいるとのことであった。
質疑においては、華美な飾りや建築物、葬儀のあり方(死者との向き合い方)などに触れ、天皇制との関わりにも言及し、大谷派は親鸞の精神に帰れという新たな指摘を受けた。(詳細は後日報告書に掲載される予定)
爆破事件そのものは30年前のことで既に刑も終えているが、大谷派に対する指弾は今もって課題である。爆破事件の犯行声明に「アイヌモシリを侵略し〜」とあったことをうけ、北海道教区としては自らの問題と受け止めていかなければならないが、加藤氏が「アイヌのことだけを問題にしたのではない」と述べておられたように、加藤氏の主張は宗門と国家体制・天皇制のあり方全体を問題としたのである。在日朝鮮人韓国人のこと、戦争のこと、靖国神社のこと、北方領土問題そしてアイヌ民族差別問題などを含めた明治以来の日本国家の歩んできた道の検証。これらは北海道とか関係者だけの問題に狭めてはならない。常に宗門全体の、宗門に身を置く者すべての課題である。宗門の内にいては見えてこない事柄・体質などについて宗門外部からの意見に真摯に耳を傾ける努力が必要であると痛感した。
なお、犯行声明に対し、すぐに大谷派が(教研の)声明を出したこと、今回フォーラムを企画実施したことに対し、加藤三郎氏が喜んでおられたことを追記しておく。
公開フォーラム「北海道開教を問う〜大師堂爆破事件を通して〜」