2013.12.01
『祝の島』(ほうりのしま)纐纈あや(はなぶさあや)監督 2010年 (105分)
対岸4キロメートルに原発建設の計画が持ち上がった山口県上関町祝島。
1000年前、沖で難破した船を助けたことから農耕がもたらされ、 子孫が栄え、 現在に至るまでいのちをつないできた小さな島がある。
山口県上関町祝島。瀬戸内海に浮かぶこの島は、台風が直撃することも多く、岩だらけの土地には確保できる真水も限られ、人が暮らしやすい環境とは決していえない。その中で人々は、海からもたらされる豊穣な恵みに支えられ、岩山を開墾し、暮らしを営んできた。そして互いに助け合い、分かちあう共同体としての結びつきが育まれた。人間の営みが自然の循環の一部であることが、祝島でははっきりと見える。
「海は私たちのいのち」と島の人は言う。
1982年、島の対岸4kmに原子力発電所の建設計画が持ち上がった。「海と山さえあれば生きていける。だからわしらの代で海は売れん」という祝島の人々は、以来28年間反対を続けている。
効率と利益を追い求める社会が生み出した原発。大きな時間の流れと共にある島の生活。
原発予定地と祝島の集落は、海を挟んで向かい合っている。
1000年先の未来が今の暮らしの続きにあると思うとき、私たちは何を選ぶのか。いのちをつなぐ暮らし。祝島にはそのヒントがたくさん詰まっている。
ドキュメンタリー映画『祝の島(ほうりのしま) 』公式サイトより。
http://www.hourinoshima.com/