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公開講演会「弟を殺した彼と、僕」

公開講演会 「弟を殺した彼と、僕」
講師 原田正治氏

2021年5月27日に、死刑制度問題班主催の公開講演会「弟を殺した彼と、僕」がZoomを使った完全オンラインで開催されました。当初、Zoomと教務所を会場としての併催で企画立案をしてきましたが、緊急事態宣言中であることから、オンラインのみでの開催となりました。

講師である原田氏は実弟を殺害され、事件から10年後加害者の一人と異例の面会に臨み、その後に彼の死刑を停止するよう活動を行ってきた人物であります。原田氏は講演の中で、加害者と被害者遺族が対話をすることが修復的司法の在り方であると、対話の場の大切さを何度も訴えかけていました。加害者も被害者遺族も何かを踏み出す一歩になっていくのではないか。事件の当事者として、何かをつかみ取ろうとすることの必要性を説いていました。

さらに原田氏は宗教の教義に照らし合わせただけで死刑制度の賛否を決めないで欲しいと問いかけます。どこまでも一人ひとりがその賛否について考えて欲しいと願われていました。非当事者である私たちが、何に依って死刑制度に対しての態度決定をしていくのか。教義ありきで存廃の是非について意思を決定していくことは、いのちの問題に対して向き合うことをしていない不誠実さがあるのだと教えていただきました。

死刑制度には常に差別の問題があります。罪を犯した者は社会から排除し、抹殺しても構わない。元よりそうした考えの根本には、日常的に私たちが持っている善人性の傲慢さがあり、他者を排除することへの痛む心の欠如があります。実はそうした私たちの日頃の在り方こそが、死刑制度から問われている課題なのではないかと、本講演会を通じて考えさせられました。

最後になりますが、不慣れなオンラインに対応していただいたご講師ならびに、ご参加くださいました皆様方に改めて御礼申し上げます。

(報告者:圓浄照康)

[ 2021.06.06 ] 死刑制度問題班