死刑制度問題班③

去る1月31日に2022年度死刑制度問題班「第3回実行委員会」が開催されました。まず班員とともに札幌地方裁判所にて裁判を傍聴し、その後、教務所にて実行委員会が開かれました。

この度の実行委員会の内容としては、裁判を傍聴した感想を班員の中で共有した後に、2月22日(水)に開催される「班内学習会」について協議しました。班内学習会の講師には、平野喜之氏(金沢教区 淨專寺住職)をお迎えし、講義をいただいて座談会を行う予定です。また、5月31日から6月2日にかけて実施される現地学習の日程や講師の選定、東京拘置所での面会、「フォーラム’90」との継続的交流について協議し、今後の活動日程を確認して閉会となりました。閉会後、中央区民センターの会議室にて札幌弁護士会死刑廃止実現委員会と意見交換会も実施されました。

裁判の傍聴では、JR千歳駅で起きた死体遺棄事件の公判で、「こうのとりのゆりかご」を設立された産婦人科医師が弁護側の証人として法廷に立ち、孤立出産の現状について言及されていました。その中で聞かせていただいたことは、悩みや苦しみを相談できる人と場がなく、ひとりで生きづらさを抱え込みながら、孤独の世界に生きることが「孤立」ということだったのではないでしょうか。誰にも助けを求められず、たとえ周りにたくさんの人がいたとしても誰とも通じ合えず、誰からも相手にされないだろうと思い込んでしまうところに「生きづらさ」ということを感じていくのだと思います。

我々一人ひとりにおいても、多かれ少なかれ孤独感だったり、生きづらさを抱えたりすることがあるのではないでしょうか。悩みや苦しみを聞いてくれる人とのであいと、それらを開いていける場の重要性を感じました。

札幌弁護士会死刑廃止実現委員会との意見交換会では、死刑廃止委員会の活動内容として「出前授業」ということがありました。出前授業とは、依頼(今回は中学生を対象)を受けて裁判制度や死刑制度について講義を行ったうえで、死刑制度について関してグループディスカッションを行い、議論結果を発表するというものでした。

この活動を通して、まずは死刑制度の問題について、多くの人が「知る」ということと、一人ひとりが「考える」ということが必要であることを再確認させられました。

(実行委員 森口 至)

[ 2023.02.07 ] 死刑制度問題班