2011.08.02
7月31日、札幌市民ホールにてフォーラム「今を生きる力の回復~日本人が失ってきたもの~」が開催されました。
当日は、1240名が参加し会場は熱気に満ち溢れていました。
第1部の基調講演では、姜尚中氏(東京大学大学院教授)をお迎えし、姜氏は、「無縁社会といわれる今こそ、宗教、とりわけ仏教の力がのぞまれます。人々の魂のケア、寺に集うことを通して、その人々が生きる力を得ていく。そういうことがなければ、仏教に何の存在理由があるのでしょうか」と熱く語られました。
第2部では、姜氏、上田紀行氏(東京工業大学大学院准教授)、櫻井義秀氏(北海道大学大学院教授)、太田清史氏(コーディネーター・前札幌大谷大学長)によるシンポジウムが行われました。
上田氏は、仏教に対する期待はあるが、お寺や僧侶は期待されていないこと、僧侶が世間から出ていないことを指摘されました。
その上で、「仏教は出世間であり、世間を出て、自分は何をすべきか探求していかなければならない。門徒さんには、一歩前にでるお坊さんを励まして欲しい」と僧侶と門徒へメッセージを送られました。
櫻井氏は、カルト教団の信者が悩む時間と力を奪われ、使い捨てにされていくという問題は、現代社会にも共通していると押さえた上で、「本当の宗教とは、教えをいただきながら、自分で悩み考え続けるというものです」と話されました。
参加者からは「姜尚中氏の講演に大変感動し、納得しました。是非多くの人に知ってもらいたいと強く思います」等の声が寄せられました。