2021.04.15
4月13日、原発問題班の第5回実行委員会(班内学習・会議)をハイブリット形式にて開催しました。
班内学習では、現在核のゴミ問題で小野有五氏(北大名誉教授)をお迎えし、ご自身が手掛けたパンフレット『知ってましたか? いま 地層処分してはいけない 8つの理由』を使い、専門的なことも交えながらお話しをいただきました。
小野先生は地層処分を「いま」することに大きな8つの問題があると提唱されています。
1.最終処分場には全国のあらゆる核のゴミ(廃炉で出るゴミも含まれる)が持ち込まれる可能性がある。
2.現在、地上で安全に保管出来ている技術があるのに、他県の地下に埋める必要性と安全性に疑問。
3.NUMOは説明していないが10数年後から漏れ出す廃棄物もあり、地層処分をすると手が届かなくなる。
4. 地層処分に適応する地域とされる『科学的特性マップ』が、実際には科学的とは言えない曖昧なものである。
5.地層処分の候補地となっている寿都や神恵内の地層は、海外では候補地になることはあり得ない場所。
6.岩盤強固のフィンランドに対し、断層や地下水だらけの日本において何故地層処分なのか。
7.世界で処分地が選定されているのはフィンランドとスウェーデンだけで、他の原発所有国は処分地が未だに未定のまま。
8.破綻した核燃料サイクルに使われるお金を地方にまわすべき。六ヶ所村では16兆円以上をつぎ込みながら現在も運転の目途はたっていない。
そもそもNUMOは原発を持つ電力会社が100%出資し、核ゴミ処分のために作った組織で、実際は電力会社そのものである。現在全国の原発で使用済み核燃料の保管場所が満杯になりそうなため、早く移動させたいという電力会社の都合で急いでいるだけで、科学的にも道義的にも非常に問題がある。また選定や調査過程において表面的には丁寧な対応を見せながらも、実際は止まるつもりもなく突き進み、住民の分断を進めていきます。
さらに地層処分が出来た時点でNUMOは解散を前提としている組織ため、何か事故があったとしても責任の所在がなくなり、その後は税金で賄われることになる、きわめて無責任な組織であると警鐘を鳴らされました。
最後に小野氏より、沖縄の基地・福島・北海道など差別とも通底した問題であり「違う!と北海道から声を上げなければならない」と力強い言葉を頂いた。
小野氏の講義を伺えば伺うほどに、核にまつわる事実を知り愕然とさせられ、さらに学習を深め行動していかねばと改めて感じました。
(報告者 中村裕恭)