2021.04.19
4月14日今期4回目の死刑制度問題班の部門会議が行われました。
当初は裁判所に赴き裁判の傍聴を予定しておりましたが、新型コロナウイルス感染状況による札幌往来の自粛期間でもあり、延期とし、集合型とZOOMによるウェブを併用した会議となりました。
真宗ブックレット「死刑制度と私たち」p25-p41『仏教者と死刑制度』戸次公正氏を基礎学習として私たちの課題を確かめました。
氏は「死刑の問題は、国の制度としてのみとらえるだけでは十分ではない。その制度を支えている私たち自身の意識を問題にしていかなければならない。つまり、優劣を競い、レッテルをはり、仲間外れを作り出し、いじめ、排除し、隔離し、抹殺すらしていくことを、つまりは死刑を必要悪のごとくに肯定していくような意識構造を問うことである。」(p38)と指摘されます。
死刑制度に関する議論の多くは「制度」そのものの是・非が問題になります。しかし、私たち真宗僧侶が死刑制度を問題にするとき、そこから問われているのは私自身の意識構造そのものだったと知らされます。
我々真宗門徒の伝統は親鸞聖人が出遇われたお念仏により「愚禿が心は、内は愚にして外は賢なり。」(愚禿鈔)の自覚に樹っていくことであります。そしてその自覚(気づき)から、死刑となったひと・加害者家族、被害者家族となったひとの苦悩を聞いていくことであろうと感じます。
死刑制度問題班では5月27日15時から公開講演会を開催いたします。(ZOOMによる参加可)、「半田保険金殺人事件」により被害者となられた原田正治さんにご講演をいただきこの度は原田さんの縁から死刑制度について考えさせていただきます。
講題は『弟を殺した彼と、僕』
ご参加をお待ちしております。
(報告者:九谷量)