2021.04.21
4月15日、北海道教務所において靖国問題研究部会・第4回実行委員会を部会内学習会としハイブリット形式(集会型とウェブ併用)にて開催した。
この度は遠路より、浄土真宗本願寺派 北海道教区日高組 崇徳寺御住職である忍関崇氏を御講師としてお招きし、『ヤスクニ問題から問われる、私の信心と教団の責任』というテーマのもとお話をしていただいた。テーマにもあるように片仮名表記の「ヤスクニ」という文字には、意味として差別的・排他的・権威主義的思考のこと示す表現だと初めて知らされました。
忍関氏は、コロナ禍を原因とする日本社会特有の「集団同調主義」がもたらした差別事象は、裏を返せば「排除の論理」であると語る。そして、私たちが今抱えている靖国問題が真宗僧侶に問うてきたのは、まさにこの「内なる靖国」というべき思考が、私の生き方と教団の体質に内在化しているのではないかということを指摘された。その問題は、靖国神社の国家護持や首相の公式参拝などを策動する国家権力の側だけではなく、靖国的なものを抱え込んだこちらの側にもあるのではないか。それは、念仏の教えに出遇うことによって初めて明らかになったことであった。その自覚は「ヤスクニ」や「コロナ禍」を克服する精神のありようと、それに基づく「同朋社会」への道をあきらかにするだろうという言葉をもらった。
忍関氏は最後に、部会員の質問にも丁寧に答えて下さり、頭の中でモヤモヤしたものがハッキリしたように感じる。自分たちの身の回りにも様々な問題があり、無自覚に知らぬ間に差別に加担をしているのではないかと「ヤスクニ」から呼びかけられている。今回の学習会で私たちが進むべき方向性を改めて、忍関氏に示していただいた。
(報告者 奥田隆道)