2021.08.29
去る8月24日、2021年度死刑制度問題班第1回実行委員会がWeb会議にて開催されました。
宮本部会長からの挨拶の後、2021年度事業計画を確認しました。基礎学習では、東海テレビ制作『罪と罰~娘を奪われた母 弟を失った兄 息子を殺された父~』のDVD視聴を通して座談を行いました。その後、今年度の班内学習について日程や役割等を協議しました。班内学習では「闇サイト殺人事件」の被害者遺族である磯谷富美子氏をご講師としてお迎えする予定です。新型コロナウイルスの蔓延状況によってはWEBでの開催も考慮されますが、まず「人にあう」ということを大切にしながら企画立案を進めていく方針を班内で共有しました。最後に宮本部会長の挨拶をもって閉会となりました。
この度の基礎学習を通して改めて認識させられたことは、縁は個々格別であるということです。殺人事件の被害者遺族はそれぞれの縁によって加害者に対して死刑を望む者、望まない者がいる。被害者遺族が愛する者を殺害されたという事実において絶望し、この国における一番の重罰、すなわち死刑を望むのは至極当然なことのように思いました。その一方で、前年度の公開講演会で講師を引き受けて下さった原田正治氏のような「生きて罪を償ってほしい」という決意と行動は、本当に希有なことだと感じさせられました。
私たちは「死刑のある国」にいます。それ故に死刑制度があることが当たり前であり、その環境が私たちから「考える事」を奪います。そして死刑制度の持つ様々な問題、またいのちの問題に目を向けることなく無責任に人を捌き、死刑制度そのものを助長しているのです。だからこそ、死刑制度問題を学び、問うていかなければならないのでしょう。今年度もまた、「人にあう」ことを通して学び、違う視座をいただきながら各事業に携わっていきたいと思います。
(実行委員 森口 至)