2021.09.13
9月9日、ハンセン病問題班第1回実行委員会がzoom上で開催されました。会議は宮本部会長、畠平班長挨拶の後、2021年度教化事業計画・予算を確認、DVD鑑賞、その内容を踏まえての座談、今後の活動予定については話し合われました。
DVDは映画「新・あつい壁」(2007年制作)を視聴しました。映画は「菊池事件」という実在した事件が元に作られています。この事件は被告人がハンセン病であったことにより、警察や検察、裁判官までもが差別と偏見に満ちた違法な捜査や法廷審理を行い、その結果死刑が執行されたために、冤罪の可能性があります。今現在、真宗大谷派は被告人である藤本さん、ご家族の名誉回復のために、この事件に対する再審請求に向けた署名を行っていますので、詳しくは親鸞交流館ホームページよりご参照ください。
座談はその内容を受けて様々な意見が話し合われました。私が最も印象的な事は「当事者性」という問題です。私たちはハンセン病回復者、そのご家族の方々が被害に遭われたことを聞き、学びを深めても、その悲しみの全部を理解することはできません。どこまでも「当事者」にはなれません。しかし、その「なれない」という現実に自分自身が真剣に向き合っているのか?私の学びの姿勢を考えさせられたように思います。
思えば、ハンセン病問題班で関わりを持たれた先輩方は「当事者」にはなることができないその「いたみ」を学びの熱に変えていたのではないでしょうか。「わからないから学ばない」でなく、「わからないからこそ丁寧に聞いていきたい」という学ぶ姿勢の原点を再確認させていただいた座談でした。
(報告者:大沼含)