2021.09.25
2021年9月16日(木)15時より、研修部会第1回実行委員会をウェブ会議で開催いたしました。この度の会議では、今年度の教化事業計画・予算の確認、並びに事業精査のため休止した推進員教習担当者研修会についての協議をいたしました。
教化事業計画・予算の確認については、今年度の活動テーマと今後のスケジュール等の確認をいたしました。今年度は活動テーマを「宗祖の精神に立ち返る学び」といたしました。昨年度、「是旃陀羅」という課題に学ぶ中で、その語についての問題意識と機の自覚の欠如を知らされました。それは同時に、自己肯定を一歩も出ず、他者を見失う日ごろのあり方を問い返すものでもあり、自身の信心の課題であると受け止めています。
米田富氏の
説教で片づくんなら明治百年とっくの昔に片づいています、説教だけで。生活が変わらんかぎりはね、そんな説教何回やったってこれはどうにもなりません。(『部落問題学習資料集〔改訂版〕』79頁)
という言葉は「あなたの日常生活は念仏生活となっていますか」との問いかけだと思います。まさにこの度の部落解放同盟広島県連合会からの問いかけが、自己に問い返しを促し、「信心のまことならぬことのあらわれ(『親鸞聖人御消息集(広本)』、『真宗聖典』577頁)であると語り合っていくことこそが、私たちにおける学びとなるのではないかと確認いたしました。各研修会の実施向けては、これらを念頭に置きチーフを中心に自己の課題を仏語にたずね、開催要項(特に呼びかけ文)に表現していくこととなりました。
推進員教習担当者研修会については、予め宗務所発行の『真宗同朋会運動学習資料[第四版]』を読み、共通認識をもって今後の方向性について協議いたしました。協議に際し、中西志香・鷲嶺彰宏両教区駐在教導より「宗門・北海道教区における『同朋会運動』『同朋の会推進講座』の基本理念と変遷」について、並びに現在の宗門における中心的な三つの教化施策である「帰敬式法座・同朋の会推進講座・元気なお寺づくり講座」について明示していただき、真宗同朋会運動の歴史や推進員教習の願い、また三つの施策の趣旨を確かめ座談をいたしました。
同朋会運動の特徴に「共同教化」が挙げられます。ひとつには組内寺院が協力し合って教化活動を行うというあり方、いまひとつは僧侶・門徒が共に学ぶ場を創造していくというあり方です。明示していただいた三つの施策も、共同教化の意義を確かめながらの実施が願われているのだと感じました。これらの施策の趣旨を教区内の方々に広く認知していただくと同時に、教区としてどのように受け止めていくのか、また各組、各寺院での共同教化の現場でどのように活用できるのかを話し合い、情報・意見交換をする場が必要であると感じ、今後当研修会の具体像を模索していくこととなりました。
宗祖の精神に立ち返る学びとは「ただ念仏のみぞまこと」(『歎異抄』、『真宗聖典』641頁)と頷かれた先人にたずね、また仏語にたずねることに他ならないと知らされます。真宗同朋会運動が信仰運動として現に動いていることをこの身に感じつつ、今年度の教化活動に力を尽くしてまいりたいと思います。
(報告者:鳥毛浄生)