2021.12.19
2021年12月13日、教務所にて第2回実行委員会兼班内学習会を開催した。実行委員会では1月20日に予定している第3回実行委員会、5月9日~11日の現地学習会等の事前協議を行なった。
班内学習会では、『闇サイト殺人事件』被害者遺族の磯谷富美子氏をご講師に、ウェブ併用にて開催された。この事件は2007年8月24日.名古屋市千種区で帰宅途中の磯谷利恵さん(当時31才)が3人の男に突如拉致され、金品を奪われたうえに残虐な方法によって殺害され亡骸を山中に遺棄された事件。この事件の特殊性は、3人の犯人がインターネット上の掲示板「闇の職業安定所」を通じ知り合い、出会ってから短期間のうちに凶悪な犯行に及んだ。このことはメディアでも大きく報道され、当時、多くの人が耳にし、恐怖と怒りを生んだ事件である。
印象的だったのは、講師が持参した事件についてのDVDを視聴した時、目を背けたくなる程の残虐な事件内容や生き甲斐であった一人娘の利恵さんの事、身勝手な犯行理由や理解しがたい加害者の言動が映像と音声として流れてくる。そんな中、磯谷さんは終始ずっと下を向いておられた。見たくもないのであろう…見る度に心の傷や悔しさ、怒りがこみ上げてくるのであろう…そんなつらい心情のなか、私たちに伝えてくれた事。
「利恵さんと同じ被害者は二度と出したくない」、「最期まで闘った利恵さんを忘れないで欲しい」、「誰が被害者になってもおかしくない」、「被害者遺族の二次被害(精神的,肉体的,経済的)」、「犯罪被害者サポートセンターの存在」、「真面目に生きた利恵さんの姿を守る司法であって欲しい」…様々な磯谷さんの言葉が自分の耳から離れない。
最後に語られた「娘に会いたい気持ちは強くなっている」と言う言葉。娘さんに会いたいけど会う事が出来ない…いのちの叫びが痛いほど伝わる言葉であった。一人の人間として、一人の親として、一人の僧侶としてこの事件から問われるものは計り知れない。自分の中でずっと問われ続け考え続けていかねばならない。
(報告者:斉藤友明)