2021.12.30
去る12月22日、ハンセン病問題班第2回実行委員会が教務所とWeb併用で開催されました。
今回は「真宗大谷派ハンセン病問題に関する懇談会」(以下ハンセン懇)委員の酒井智氏をお招きし、ハンセン懇の活動内容や、氏が長年携わられてきた中で感じられたことをお話し頂き、質疑応答を行って学びを深めました。また今後予定される班内学習会と現地学習会についても話し合われました。
ハンセン懇は、国の絶対隔離政策に追従した「大谷派光明会」を中心とした大谷派とハンセン病の関わりの歴史を検証し、それに関わる多くの問題と課題を精査する目的を持って設立されたものであり、その活動に関わる中で多くのことを学び、また今を生きる私たちにも様々な問いを投げかけていることを教えて頂きました。また、ハンセン病問題をまだ解明されていないことが多いコロナ感染症の問題と全く一緒だとして語ることの危険性についてもご指摘頂き、両問題の相違点や共通点をしっかり確認しなければならないことが再確認されました。
そのお話の中で印象的だったのは、「我々大谷派僧侶がハンセン病問題に関わるのということは、慈善事業ではなく共に歩む活動なんです。」という言葉です。その「共に」とは、一点は「ハンセン病の回復者と共に」ということですが、もう一点は「自坊の門徒と共に」ということでもあります。氏が自坊の法座でハンセン病について話をすると、「もう終わった話だ」「まだそんなことをしているのか」と言われ、ショックを受けたそうです。ハンセン病問題は過去の問題ではなく、現在進行形の問題であり、私たちと決して無関係な問題ではないということを「自坊の」門徒と本気で語り合っているかという問いを頂きました。
(報告者:圓淨和之)