2021.12.31
2021年12月23日(木)、今年度3回目の同朋教化部門企画部会の実行委員会がウェブ形式で開催された。
この日は、前回の会議で行った本山女性室、解放運動推進本部の方々との意見交換を通じての感想と「男女平等参画」に関するそれぞれの受け止めや課題とすることについて等、各人15分ずつの発表となった。
その中で「男女両性で形作る教団とは未来の事かと思っていたが、お寺は元来そうやって成り立ってきたのではないか」、「しかしお寺での男女の役割分担に軽重をつけて来たかもしれない。お斎づくりの女性に敬意をはらってきただろうか」という言葉が印象に残った。
その他の協議内容としては、今後の実行委員会等の日程や班内学習会の講師の選定について話し合われた。
我々はどのような視座で男女平等参画について考えて行けばよいのだろう。
仏教における女性差別を考えていく時、『仏説無量寿経』の第三十五願や、「五障三従」の『御文』について学ぶことも大切な課題である。社会問題として女性差別を捉える場合は、我々が生きている日本社会の現状について積極的に情報を収集し、不平等に喘ぐ人間のすがたをもっともっと知らなければならない。自己の無意識の差別性に一刻も早く気がつかないと、いつ人を傷つけてしまうかわからない。
最近の新聞によれば、ジェンダーギャップ(男女格差)指数という基準があるらしい。
スイスのシンクタンク・世界経済フォーラムが06年から、政治、経済、教育、健康の4分野14項目について、男女不均衡の度合いを国別に数値化して発表している。日本はなんと156カ国中120位。政治参画度合い147位、経済活動参加機会117位である。
因みに北欧のアイスランドが12年連続1位だった。
「女性が心地よく暮らせる社会は、男性にとっても住みよいに違いない。それを阻むものは何か。考える時だ。」と記事は締めくくられていた。
昨年出版された『女性史に学ぶ学習資料集』(東本願寺出版部)の「発刊にあたって」に、
故但馬弘前宗務総長は「宗門が、女性差別問題や男女平等参画の課題に取り組む目的は、(中略)私たち一人ひとりが「独立者たらん」(唯我独尊)という呼びかけをいかに受け止めてきたのかが問われている取り組みであります。」と述べられている。
目の前の人を尊敬していますか?
男女である前に、人間として差異を認め合えるところに、存在の平等があるのではないだろうか。多くの事を感じさせられた会議となった。
(報告者: 金光 多真美)