2022.02.27
2022年2月18日、部会内学習会と第4回同朋教化部門企画部会実行委員会がオンラインで開催されました。
部会内学習会では、石原真衣氏(北海道大学アイヌ・先住民研究センター教授)より「サイレントアイヌから日本のジェンダー問題を考える」をテーマにご講義をいただきました。
今年度、企画部会の主とする学びは男女共同参画であります。
講義前に、この度の石原真衣氏との窓口役になっていただいた中西志香駐在教導より、学習会趣旨の確認が行われました。
石原氏には4年ほど前に東本願寺公開講座にご出講いただいたことをきっかけに、大谷派に関わりをもっていただいている。
中西氏がこれまでの関わりの中で、石原氏はフェミニズム、ジェンダー論、女性学ということに強い関心があることを伺い、私たちの課題との接点があるのではないかと考えたため、今回のご講師としてご依頼した旨の確認がありました。
講義で石原氏は「なぜアイヌ、在日、部落は差別や収奪を正当化されてきたのか。」と問われ、「透明性」というキーワードから「それは人間ではないと位置づけられたから。特権をもった者が、人間ではないのだから仕方がないという考えで差別・収奪をしてきた。」とお話されました。
そのことから、一人のひとを出生地や血筋で計ることによってその人を漠然としたカテゴリーへ強引に押し込め、結果、相手がどういう有り様であろうと生身の人間であるというあたり前のことが見失われていくのだろうと考えさせられます。
この問題は特別なことではなく、日々の生活でも職業や社会的立場、性別や生き方を自分のイメージで相手を見、人と接しているつもりになっていますが、本当に人間同士向き合うとはどういうことなのかを繰り返し問い返されなければならない私であることを教えられます。
講義後は実行委員会が行われ、石原氏の講義を通して新たにいただいた視点から、今後聴いてみたい内容や講師選定について話し合われました。
(報告者:佐々木 順道)