2022.05.26
去る5月20日に2021年度死刑制度問題班第5回実行委員会が教務所にて開催されました。
まず宮本部会長からの挨拶の後、5月9~11日に開催された現地学習の事後協議を行い、2021年度の総括を各実行委員から述べられ、2022年度の教化事業活動計画について協議されました。
今年度は「人にあう」ということを大切にしてきた1年であったと感じています。班内学習では「闇サイト殺人事件」の被害者遺族からお話を聞かせていただき、現地学習では各実行委員が死刑を求刑された未決の方々と面会し、さらには死刑制度問題に取り組まれている弁護士や、「フォーラム90」の方々や、「アムネスティ・インターナショナル日本」の方々など多くの人にお会いさせていただきました。それぞれの立場で死刑制度問題について考え、真剣に向き合い、その熱意と取り組む姿勢には圧倒されるものがありました。
私はこの度の現地学習を通して、死刑を求刑された未決の方と面会させていただきましたが、実際にお会いしてみて「今、私の目の前で普通に話したり笑ったりする人が死刑になってしまうかもしれないのだ」ということを感じさせられました。それと同時に、私がいかに自分の思いや想像だけで人を見ているのかということを知らされたように思います。面会に行くとアクリル板を挟んで「罪を犯した者」と「未だ罪を犯していない私」という拭い切れない隔たりが私の中にあるのです。そうした中で「人にあう」ことの難しさを感じます。それがどこで成り立っていくのかというと、その人の中から人間としての私の課題が見出された時に「一人の人間とであう」ということがあるのではないかと思います。
次年度にあたって、今年度大切にしてきた直接人に会っていくことや現場に身を置くこと、そしてこの度お会いした方々と私自身がどう関わり続けていくのかということを課題としながら、教えに自身の姿をたずねて参りたいと思います。
(報告者:森口 至)