2022.06.02
5月23日(月)から25日(水)までの2泊3日の日程で教化伝道研修会が東本願寺青少年研修センターにて行われました。研修センターのガイドラインにしたがい、参加者の定員を20名として案内をしたところ、13名の方々に参加していただきました。状況に応じて開催形式をウェブにすることにも対応できるように準備をすすめていましたが、すべての参加者に研修センターに集まっていただき、開催することが出来ました。
研修会は自己紹介、講義、座談、朝夕の勤行、感話、特別講義、全体座談等々が行われました。
自己紹介ではそれぞれが抱えている問題、そして参加動機などをお話しいただきました。それぞれの人が抱えている問題は違いますが、その問題が研修会に足を運ばせる動機になっているという点では共通しているのだと思い、貴重なお話を聞かせていただきました。
講義は海法龍先生にお越しいただき「願いと問い」という講題のもとお話しいただきました。その中で、「自分中心のものの考え方でしかない私たちが、南無阿弥陀仏の世界にふれて、お言葉のこころを中心と生きていこう、生きていきたい。教えによって転じられていく。自分が勉強して教化していこうというのは傲慢であり、教化できる私が前提になっている。」と教化は如来のお仕事であることを強調され、日々の生活において種々の問題に振りまわされているなかで、どこに立って問題にかかわっているのか、自らの立ち位置を問うことの大切さをお話しくださいました。また、個人に閉じこもる歩みではなく、自分自身が開かれていく歩みをうながしてくださいました。そして、私たちが「教化者意識」(教化できる私を前提とする)という問題を抱えているということを教えていただきました。
特別講義は名畑格先生に「差別するものが差別することから解放される - 北海道「開教」とアイヌ問題 -」の講題のもとお話しいただきました。北海道や大谷派の歴史、差別の構造まで多岐にわたりお話しいただきましたが、ある大谷派の僧侶がアイヌの人に「衣の下に鎧を着ているのではないか」と言われた話をご紹介くださり、「大谷派僧侶の私たちはアイヌの人たちからどう見られているのだろうか。」と言われたことが印象に残っています。また、「日本人とアイヌの人」という言い方をしてしまうことがありますが、アイヌ民族の人も日本人であるし、そういうときは和人や大和民族と言わなくてはならず、民族喪失という問題があるということも教えていただきました。
全体を通して、最初は少し硬い印象もありましたが、徐々に日ごろの悩みや問題を素直に見つめ、腹座って語ろうという雰囲気が出てきて、最後には研修会に来てよかったと言われる方々が多く見られました。また、研修会後にライン交換をされている方もいました。
2泊3日の日程終了後、それぞれの自坊、自宅にて「講義を通してあらためて呼びかけ文から感じられる事」というテーマで1000字程度のレポートを書いてもらい提出していただきました。
(報告者:宝喜智明)