2024.03.31
3月26日(火)14時より第9期ハンセン病問題班の第4回実行委員会兼班内学習会が教務所にてWEB併用で開催されました。(教務所参加6人 WEB参加1人)
班内学習会では訓覇浩師(三重教区金藏寺住職、ハンセン病市民学会共同代表・事務局長)にお越し頂きご講義を頂戴致しました。
講義では、ハンセン病隔離政策が患者とその家族に与えた被害や、真宗大谷派がなぜ隔離政策に加担したのかということについてお話頂きました。
その中でも印象に残っているのは、療養所での隔離生活では強制的に新しい名前を付けられ自分の本名すら名告れなかったというお話です。本名を奪うという事は、その人がその人である事を奪い、自分の命のツールを奪い、そしてその人が療養所だけでしか生きていけないという自己認識を与える事であるとお話されていました。
私は今まで、自分の名前を変えられる事でどのようの思いをするのか、考えたこともありませんでした。しかし今回の講義を聞き、自分の名前が奪われるということは、自分にまでずっとつながってきた命のツールを奪われる事であり、そしてこれから先も命をつないではいけない人間だとレッテルを貼られる事であり、それは、もうあなたは療養所の中でしか生きることができない人間であると言われている様なものだと感じました。それがどれだけ悲しく、辛い事なのかと考えさせられました。
また先生は、ハンセン病問題に学ぶことで自身の事を「私は差別者です」と簡単に言って真面目に自己反省をするだけでは、差別の解放の力にはならないと仰っておられました。私自身、ハンセン病問題に学んでいく中で、誰にでも差別心があり、私も差別者であると考えるようになりました。しかしそれは、この問題の本質を知ることのないまま差別者という言葉を安易に口にしていただけだったと知らされました。
講義の最後では、大切なのは隔離された方たちが何を奪われ、何を取り返そうとしているのかということに出会っていくことであると、教えて頂きました。
最後に質疑応答と座談を行い、班内学習会は終了となりました。続けて5月11~12日に札幌で開催されるハンセン病市民学会全国交流集会についての確認と、4月24~26日に行われる現地学習会についての最終確認を行いました。
(報告者:門間 大樹)