2024.04.26
2024年4月15日から17日の2泊3日にわたり、東北教区浜組様、並びに原町別院様にご提案いただいた現地視察行程に沿って、宮城県と福島県各地の震災遺構や資料館、災害伝承館を巡る現地学習会を実施しました。
初日は仙台空港から入り、名取市閖上地区にある震災復興伝承館、「閖上の記憶」という津波復興祈念資料館、仙台市荒浜地区にある「震災遺構仙台市立荒浜小学校」を見学しました。震災前後を記録した展示物や資料、崩壊した建造物が津波の脅威を物語っており、被災された方から当時の様子をお聞きすることで自然災害の恐ろしさを再認識しました。
2日目は福島県の「東京電力廃炉資料館」、「とみおかアーカイブ・ミュージアム」、『宝鏡寺「伝言館」』、「いわき市地域防災交流センター久之浜・大久ふれあい館」を順に訪ねました。福島第一原子力発電所でなぜ爆発事故が起きたのか。東日本大震災・原子力災害という複合災害により被災した町と町民がどのような変化を強いられたのか。原発を推進する人たちが、非科学的な感情論で安全神話を築き上げてきたこと。災害は他人事ではなく、事前に家族や自治体と話し合い、避難場所を決めて、危険だと感じたらその場に留まったり、大事なものを取りに戻ったりするのではなく、まず逃げなければならないことなどを学ばせていただきました。
最終日は福島県内唯一の震災遺構である「震災遺構 浪江町立請戸小学校」やその周辺施設、複合災害の実態や、復興に向けた歩みを展示する「東日本大震災 原子力災害伝承館」を視察しました。請戸小学校は「大地震・大津波・原発事故」に相次いで見舞われながらも、学校職員の方々や生徒の皆さんの機転と即時行動により、全員が無事避難することができた奇跡の学校としても知られています。原子力災害伝承館では当時の被災された方々の嘆き悲しみ、そして今なお、原子力災害により期間困難区域に指定され、故郷に戻ることが出来ない人たちの姿に心が痛みました。両施設とも防災を考え、後世に伝えるための大切な施設であると感じました。
日程2日目から3日目の間中、東北教区浜組組長 八幡朋行氏と原町別院職員 木之下秀俊氏、仙台教区浜組明賢寺副住職 藤内淳心氏にご同行いただき、様々なところをご案内しながら、当時のことをご説明くださいました。お忙しい中お時間をいただき、大変お世話になりましたこと、誠に感謝申し上げます。部会長をはじめ、当班の皆さんにとって、震災と原発というものが如何に複雑に絡み合い、放射能により土地が汚染されることにより、故郷を追われ、人との繋がりを失うことがどういうことなのかを学ばせていただきました。これからも様々な方とのご縁を賜りつつ、学習させていただきたいと思っておりますので、どうぞご理解とご協力のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
(報告者 : 金谷 智晃)