2024.05.06
4月24日~26日にかけて、ハンセン病問題班の現地学習会が青森市内の蓮心寺と松丘保養園にて行われました。
青森市内に到着後、蓮心寺副住職の本間義敦氏より、これまでのご自身のハンセン病問題との関わりをお話いただきました。
始めに本間氏は、ハンセン病問題「を」学ぶだけではなくハンセン病問題「に」自己を学ぶことを外してはならないとお話下さいました。また、ご自身の体験として、回復者の方との交流を通して自分が何かをしてあげようと思っていたことの間違いを先輩から指摘されたこと、ただ話を聞いて語り合い、時間を共有することの大切さをお話下さいました。最後に、回復者の方と会うことに緊張している私たちに対して、「保養園の方々は楽しみに待っています。皆さんは待たれているんですから、どうかそのまま会いにいって下さい」と言われたことが印象に残っています。
二日目には松丘保養園を訪問しました。始めにハンセン病回復者の方に園内を案内していただき、園内にある納骨堂で勤行をしました。その後、園内の社会交流会館にて学芸員よりハンセン病と松丘保養園の歴史をお話いただき、続いて園の自治会長さんからお話をいただきました。自治会長さんの生の声をお聞きし、ハンセン病問題は罹った者だけの問題にとどまらず、その家族や周囲の者も苦悩させてきた問題であることを改めて実感しました。
三日目には「ねぶたの家ワ・ラッセ」「青函連絡船メモリアルシップ八甲田丸」を見学し、青森の文化・歴史を学び帰路に就きました。
今回の松丘保養園の訪問では3名の回復者の方とお会いし、交流することができました。皆さん一様に笑顔でお話されていました。実際にお会いするまでは、その笑顔の背景にあるその方のご苦労を知ることがハンセン病問題に学ぶために大切なことだと考えていました。しかし、今回の訪問でそれが正しいことなのか、私は分からなくなりました。それは、自分が回復者の方のために何かをしてあげるという間違った方向の学びだったのではないかと今は思います。
本当に目の前の人と出会うとはどういうことなのか。そのことをハンセン病問題と、回復者の方の笑顔が教えようとしてくれている気がします。また会いにいくことを願い、今後も学びを深めていきたいと思います。
(実行委員:金倉 翔央)