2024.06.22
死刑制度問題班の「現地学習会」が6月3日から5日までの日程で開催され、この度は東京に行きました。
一日目は移動日としました。また、金沢教区浄専寺の平野喜之さんが昨年同様にともに現地学習を希望され、死刑制度問題班の班員とともに各地をまわりました。
二日目の午前中は東京拘置所へ死刑判決を受けている未決の方との面会に伺いました。面会は一日に一グループ三人までという制限があります。そのため、死刑制度問題班の班員を4日の面会(館、亀谷、児玉)と5日の面会(小川、平野、岩田)の二つのグループにわけて、面会を行うこととしました。
次に豊國山延命寺と小塚原回向院を訪問しました。この場所は、もともと小塚原刑場があり、東海道の鈴ヶ森とともに江戸の二大仕置場でした。ここでは、磔、火罪、獄門などの刑罰が行われ、一説には二十万人が処刑されたと言われています。延命寺の方からの話では、晒首にしていたという話も残っているとのことです。
次に明治大学博物館の刑事部門で世界の処刑で使用された器具の展示を見学し、港合同法律事務所に伺いました。当初、安田好弘弁護士のお話を聞く予定でしたが体調不良のため、龍谷大学名誉教授石塚伸一先生から現在の死刑制度に関するお話をお聞きました。
その後、「死刑廃止国際条約の批准を求めるフォーラム90」の会議に参加させていただき、終了後に懇親会でいろいろお話をさせていただきました。
三日目は昨日同様に東京拘置所へ死刑判決を受けている未決の方との面会に伺いました。拘置所内では、死刑判決を受けている未決拘禁者同士であっても関わる機会がありません。面会した方も独房で孤独を感じる時間が長いと言われました。いろいろな方が面会に来て、嫌な思いをすることもあったと話された上で、今回、前期の死刑制度問題班の方々が面会をしており、初対面の私たちでも会いに来てくれたことが嬉しかったと言われました。
二日目の石塚伸一先生のお話の中で、確定死刑囚が死刑に抵抗しない状態にして、死刑を執行するのが望ましいという旨のお話がありました。死刑囚を孤独にして、弱らせて、抵抗しないように仕向けて、死刑を執行する。そのために人間関係の制限をする。つまり、具体的には面会者の制限をしているように感じました。また、死刑囚の方の中には、養子縁組をされて名字が変わる方もおられます。それは、養子縁組により親族関係になり、面会をしやすくして、死刑囚の方を支援する一つの方法だと平野さんからお聞きしました。今の日本の死刑制度における大事な支援は、孤独にさせないことなのかもしれないと思いました。これが今回の現地学習会で一番心に残ったことです。
この他にもいくつか気になることがありました。これらを通じて、今後、死刑制度問題を考えていけたらと思います。
(実行委員:岩田 広大)