2024.07.05
2024年6月24日~25日、差別問題研究部会の現地学習会が行われました。 現地学習会一日目の平取町では、「二風谷アイヌ文化博物館」と「萱野茂二風谷アイヌ資料館」を視察しました。アイヌ文化博物館で特に印象に残ったことの一つとして、身に着ける装飾品と生活道具に用いる工芸品は非常に技術力が高く、全て手製でアイヌ紋様があしらわれ、一つひとつ無駄が出ないようにカムイ(神からの授け物)への感謝が表わされていることです。 萱野茂資料館では、同氏の息子さんである萱野志朗館長から萱野家の歴史、家系図を用いて直接お話を頂き、アイヌ民族初の国会議員として活躍された萱野茂氏が国会においてアイヌ語をもちいて初答弁されたことが歴史的偉業なのだと感じさせて頂きました 。 一日目の宿泊場所は、萱野茂氏の孫さんである萱野公裕さんが経営する二風谷ゲストハウス「ヤント(宿)」です。公裕さんが萱野茂氏の孫として生を受け、アイヌとして生きることについて様々な人生経験を経て、和人とアイヌ人が共存できる道を模索されていることを直接聞かせていただけたことは、非常に貴重な時間でした。 また、ゲストハウス特有の他の宿泊者と施設を共有するスタイルを体験し、当日はオーストラリアの先住民族をルーツとされた方々と場を共有し、国籍を超えてのひとときを楽しく過ごさせて頂きました。 二日目は、白老町の民族共生象徴空間「ウポポイ」を視察し、共に生きる場としての「北海道」とはどのような意味を持つのか、そしてこの場所は、和人としての私たちがアイヌ民族にどのような視線を送っているのかを問わせる空間であるように感じました。最後に、過去に強制的に持ち去られたアイヌの方々のご遺骨を安置する慰霊施設を訪れ、今なお共生の道が問われ続けているのだと実感し、各実行員にとって実りの多い現地学習会となりました。 (報告者:照山 大暁) |