2024.10.10
10月3日(木)14時より、ハンセン病問題班の第1回実行委員会が北海道教務所にて、web併用の形で開催されました。議案はまず2024年度教化基本方針、事業計画、予算案の確認がされ、続いて基礎学習として映画『一人になる~医師 小笠原登とハンセン病強制隔離政策~』の視聴、そして第3回以降の実行委員会の日程調整と班内学習会の講師確認、以上の内容が協議されました。
映画では、回復者の方がご自身の人生を振り返られた際に、病気じゃなかったら隔離されることはなかったという思いを吐露されていたことが心に残っています。今でも隔離政策による苦しみと戦われていることを思ったのと、隔離で受けた不当な差別により、当時の社会を批判することができず、自分ばかりを責めてしまっているのではないかという印象を受けました。隔離が当然とされる社会で、小笠原氏は明確に社会が間違っているという姿勢を貫きます。真宗大谷派教団が当時の国策である隔離政策と歩調を合わせる中、大谷派僧侶でもある小笠原登氏は、時代に流されることなく一人の人間として自身の信念を貫かれた結果、「一人になる」ことでハンセン病患者の声を聞き続けていかれました。
私は、「一人になる」ことの難しさを改めて感じています。集団で話をする際、自分とは違う意見が多くの人に肯定されていたとしたら、私は自分の意見を飲み込み多数派に同調してしまうことがあります。それは、隔離政策を推し進めた当時の社会の一員と同じ姿勢であり、自らの信念を見失わせるありかたです。なぜそうなるかというと、孤独になることを恐れているからだと思います。しかし、「一人になる」ことと孤独になることは違います。「一人になる」とは、どこまでも一人の人間の声を聞いていくことだと思います。小笠原氏は目の前の一人のハンセン病患者の声を聞き続けていかれました。「一人になる」ところに、組織や立場の垣根を超えた人間のであいが開かれることを思います。小笠原氏の生涯に触れて、組織でもなく立場でもなく、目の前の一人にであいたいという願いが私の中にあることを思いました。その願いを大切にしていきたいと思います。
(報告者:金倉翔央)