2024.10.14
2024年10月1日(火)15時より旭川別院にて原発問題班第2回実行委員会がWEB併用で開催されました。
この会議では翌日(10月2日)の現地調査会、また来年3月5日~7日の現地学習会のスケジュールの確認がなされ、その後「原発震災と私たち」東本願寺出版を輪読し、それぞれが所感を述べました。
まず現地学習については、茨城県東海村に赴き、願船寺の御住職藤井学昭氏にお話をいただき、東海第二原子力発電所近くにある原子力科学館、国内初の臨界事故が発生したJCO臨界事故現場や原子力施設の展示館テラパークを視察する予定です。
その後の輪読では、福島第一原発事故で被害を被った福島県内各地を定期的に訪問された方が、テレビやニュースでは聞こえてこない現地の切実な声を記録し、まとめられた文章を拝見させていただきました。その中でも印象に残ったのは、「生まれ育った故郷で死ぬまで暮らしたい」「自らが当事者にならない限りすべては他人事」「もう一回どっかの原発が爆発して日本中が汚染され、人が住めなくならないと原発を止めることは無理じゃないのか」という言葉でした。どれも行き場のない怒りと虚しさを吐き出すかのような言葉に感じました。
それらの言葉から思い出されたのは、新たに首相になられた石破茂氏の所信表明演説でした。演説では、脱炭素化を進めながらエネルギー自給率を高める為安全を大前提とした原発を利活用すると説明されていました。この演説を通して、多くの被災された方々の声に耳を傾けず、13年前の記憶が風化し、また同じ過ちを繰り返してしまうのではないかという未だに原発を推進しようとする国の在り方に疑問を感じていました。
しかし、別の班員からは「本を通し、文字として福島の原発事故の現実を知る事は出来たとしても、原発震災を経験された一人ひとりに本当に出会い、本当の痛みに触れたと言えるのだろうか。そういう意味では、自らの問題ではなく、他人事になっているのではないか」との思いを受け、私自身、原発問題班のテーマである「原発問題は私の問題です」とはどういうことなのかを自己と向き合いながら改めて仲間と共に学んでいく必要性を感じました。
本年度も多くの方々との出会いを通して、自分自身を知らされ歩み直す場として原発問題班の学びを大切にしていきたいと感じました。
(報告者:矢田浩之)