2024.11.18
2024年11月14日に公開学習会「是旃陀羅」差別問題の事前会議➀がWebにて開催されました。
会議前半は、まず昨年度の申し送り事項と当日の役割分担等を確認しました。尚、今年度の公開学習は、ご講師のスケジュールの都合もあり、例年より早い13時に開講、16時に終了という予定になっています。そして、会議後半では今年度の公開学習会の内容について協議しました。
昨年度の公開学習会では、2024年1月に宗門から発行された是旃陀羅問題学習テキスト 『御同朋を生きる』を使用しました。そして、同著の中で大谷派における「是旃陀羅」という語の訂正した現代語訳が載せられました。その補注には、「「是旃陀羅」という語を、比喩的に読むのではなく、「これは「旃陀羅」である」あるいは「これは「旃陀羅」になる」と断定的に読み、「旃陀羅」として追放するという意味であると理解する。」(『御同朋を生きる』80頁)と、書かれています。したがって、これまでの『観経』序文の理解であった「母殺しのあなたは旃陀羅と同じである」という比喩的表現ではなく、「あなたは「旃陀羅」だ」という断定的表現によって、「あなたは「旃陀羅」として追放される」という意味で解釈するということです。一方、この解釈に対し、2024年10月に広島部落解放研究所から『真宗大谷派・是旃陀羅問題学習テキスト『御同朋を生きる』の問題点と疑問』が発行されました。同著では、「断定的表現にすることで確かに意味は違ってくるが、このことによって文脈が差別であること、現在でも差別の只中にいるチャンダーラが受ける差別的打撃が大きく変わることはない」など、大谷派の解釈に対し厳しい指摘がなされています。これらの現状をうけ、研修部会として公開学習会の内容を検討したところ、指摘に対する応答について講義をいただくだけでなく、『大経』の視座から『観経』そのものを見直すことも必要なのではないかという意見が出されました。12月に行われる「是旃陀羅」差別問題部会内学習会や事前会議②において、より多くのご意見・ご要望をいただき、今年度の公開学習会の内容を、より具体的に検討していく予定です。
(報告者:田辺 智弘)