2025.02.03
2025年1月23日(木)15時より、2024年度第3回原発問題班実行委員会が開かれ、Zoomを使ったWeb会議が行われました。
はじめに、森口至部会長よりご挨拶いただき、その後は参加者全員で輪読が行われました。学習内容に関しては、3月5~7日の日程で茨城県東海村の臨界事故現場跡を視察する予定となっているため、事前学習を踏まえて、HPで公開されている『「よくわかる原子力」原子力教育を考える会 東海村JCO臨界事故編』を題材といたしました。
その中には、臨界事故が起こった際の悲惨な状況が記載されておりました。また、事故当時の日本政府の杜撰な対応が指摘されており、放射能に対する認識の甘さと、地域住民を巻き込んで重大事故を引き起こしたことへの当事者意識の欠如が感じ取られました。
輪読を終えた後、それぞれの班員によって所感が述べられましたが、班員の意識として共通していたことは、被ばく者に心を痛めている一方で、無意識に彼らを差別しているのが私たちの現実ではないかということでした。生活の利便性を追求する代償として、別の誰かが犠牲になることを肯定している。そして、いざ重大な事故が発生しても、我関せずとして無関心に徹する。全てを他人事として捉え、他人の傷みに無頓着であることが私たちの本当の姿なのではないでしょうか。ここで改めて原発問題班に携わっていることの意味を見直してみれば、命を脅かす社会問題として原子力を徹底的に考えていくことは勿論ですが、それと同時に、私自身がいのちを選別しながら生きているという自覚の問題にも繋がるのだと思います。
社会情勢の様子を見ていると、逼迫する電力事情から原発稼働を望む人の声が多くなっています。また、それに呼応するかのように、政治の流れも再び原発推進へと向かいつつあります。そんな時代の中で、いったい私に何ができるのか。仏法に聞き尋ねていく僧侶として、自らの課題を問うていく姿勢を保ちつつ、今後も学びを深めていきたいと思います。
(報告者:黒澤 康聡)