2025.03.26
2025年1月31日に死刑制度問題班「本山解放運動推進本部との懇談会」が札幌教務所にて開催されました。午後2時半より、開講式を行い、死刑制度問題に関わる宗派並びに解放運動推進本部の取り組み本部員の吉田祐樹氏にZOOMにて講義をいただきました。その後、北海道教区死刑制度問題班からの活動報告を行い、懇談会を行いました。
講義の内容につきましては、まず初めに死刑制度問題への取り組みについて、本山としては、「死刑執行の停止・死刑廃止を求める宗派声明」を活動の一環としてされているという説明をいただきました。死刑執行が発表された朝に、どの死刑囚が執行されるかの確認をとり、協会に確認、その後すぐ内局会議をし、声明内容を確認。夕方には本山ホームページにアップロード。と同時に内閣総理大臣宛に「死刑執行の停止・死刑廃止を求める宗派声明」を送るという流れとなっているとのことでした。
また、
(以下講義)私達はテレビの報道等を見て事件の内容を知る。しかしながら、その事件がなぜ起こったのかという背景を私達は知ろうとしない。「犯罪を起こした悪い人間がいる」ということでしか私達は事件に向き合うことがない。死刑に対して実に不誠実な態度である。私達は被害者になることを考えるが、加害者になるということは考えない。犯罪を犯した人に対して「極悪非道」という言葉を使うが、誰が使うのか。警察、報道、そして私たちが使う。人間は「極悪非道」を自分たちの外に見ていく。
と、人間の心の在り方を厳しくお話されました。差別問題であれば、「差別はよくないことである。」という共通認識は得られやすい。しかし、死刑制度に対しては、「犯罪を行った人間が裁かれるのは当然であり、死には死で償うべき。」という応報感情が無くなることがない。差別問題であっても、死刑制度問題であっても「いのちの尊厳」を傷つけているということは全く変わらない。その事実を私達ひとり一人が自覚していくことが求められ、願われているというお話をされ、終了となりました。
(報告者:亀谷 哲)