2025.04.13
2025年3月26日14時より、ハンセン病問題班の第4回実行委員会(web併用)が北海道教務所にて開催されました。この度の実行委員会では班内学習会の開催、並びに4月23~25日に行う現地学習会について詳細の最終確認を行いました。
班内学習会では、「ハンセン病回復者と北海道をむすぶ会」代表の井上昌和氏、浅川身奈栄氏のお二人をお招きし、ご講義をいただきました。お話の中で井上さんは、ご自身が血友病患者であり非加熱製剤によりHIVに感染したこと、薬害エイズ訴訟の原告として裁判で闘い続けた経験を通し、ハンセン病問題も原告への差別の恐れから匿名裁判になるという共通点があることを思い、ハンセン病回復者の方々と交流をするようになったことなど、ご自身の体験を通して差別問題を語ってくださいました。また浅川さんは井上さんの妻として、井上さんとともに差別問題に向き合い行ってきた運動や、その経験を通した視座を語ってくださいました。
お話の中で印象に残っているのは、「間違った知識が多くの被害や世論を形成していき、我々がその継続を許してきたことも大きな要因ではないでしょうか。その意味では、一人ひとりの問題でもあります。目の前のことだけでなく差別問題に目を向け、想像し考えていくこと、歴史に学ぶことが大切ではないでしょうか」という問いかけです。ハンセン病も当初は遺伝病であり強い伝染病であるという誤解が世論として形成されました。しかし、誤りが分かってもなお長い期間、不当な差別が続いていました。その問題を知らないことは、間違った知識による差別被害に気付かないことであり、いつの間にか、私自身がその社会を許容していることに繋がるのではないかと思いました。この度の学習会で井上さんと浅川さんのお話を聞くまで、私は薬害エイズ被害とその差別についての詳細を知ることがありませんでした。お二人の話を通して、不当な差別を強いられた方々がどれほどの痛みと苦しみをもって闘い続けてきたのか、初めてその一端を知る機会をいただきました。
この度の学習会を経て、差別の歴史を知ることは、人間は差別性を抱えているという事実を知ることと、それを受け止めたときに、人間に起こってくる悲しみを知ることだと思いました。その悲しみが、目の前の一人の人と向き合いたいという願いとなり、相手のことを想像し考えようという促しになるのではないかということを思います。自らの生活の中で人と向き合うために、今後も学びを深めていきたいと思います。
(報告者:金倉翔央)