2025.06.23
2025年6月5日(木)18時30分より、旭川トーヨーホテルにて行われた「第43回政教分離を守る北海道集会」に参加しました。
この集会の目的は、この時期開催されている「北海道護国神社例大祭」が、日本国憲法が規定する「政教分離の原則」を逸脱している実態から目を背けることなく検証し、「政教分離の原則」により信教の自由が保障されていることを確認し、発信することにあります。
今回は「戦争をどう防ぐのか~非戦の安全保障に向けて~」を講題に、元内閣官房副長官補・自衛隊を活かす会代表の柳澤協二(やなぎさわきょうじ)氏による講演が行われました。
柳澤氏は、2003年のイラク戦争とその後の自衛隊派遣に政府の中枢として関わった経験から、イラクに大量破壊兵器があるという確実な証拠はなかったことが、ご自身の中で大きな課題となったと語られました。すなわち「政策決定者が間違えることがあるという事実」「世の中には無駄な戦争があるという事実」そして、「無駄な戦争や戦争の無益な拡大は、政策決定者の偏狭な時代精神が招くものだという事実」です。特に、イラク戦争への自衛隊派遣については、「隊員みんなが無事に帰ってきてほしい、その一点でした。もし一人でも死んでいたら、その家族に私は何を語れるのか。無駄な戦争で隊員が死ぬことに対して、また、生きて帰ってきた兵士の苦悩をどう受け止めるのかが、私にとって大きな問題になりました」と語られました。
また柳澤氏は、「戦争は個人として殺したいのでなく、国家の行為です。そして、『死ねば英霊・殺せば英雄・国家に役立つ人生は有意義だ』と、国家が国民の死に意味を与えることが問題です。それは、自己決定権(憲法13条・幸福追求権。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利)が奪われることにつながり、それが戦争のリアリティだと思っています」と語られていたことがとても印象に残りました。
(報告者:奥田隆道)