2026.01.19
2025年12月18日(金)14時より、北海道教務所にて原発問題班の第3回実行委員会兼班内学習会が開催されました。
会議前半では、現地学習会の日程および行程について、前回会議での議論を踏まえ、再度確認・整理致しました。日程につきましては4月1日(水)~4月3日(金)迄の2泊3日で行われます。
行程としては、初日に長崎県にある「長崎原爆資料館」へ赴きます。2日目は佐賀県にある「玄海エネルギーパーク」へ赴いた後、「玄海原発対策住民会議」の元代表、成冨忠良(なるとみただよし)氏をはじめ、他数名の方々と合流させていただき、お話を伺わせていただく事となっております。最終日は時間の都合上、「真宗大谷派 大谷会館(九州教務所)」のみ訪問させていただき、夕方頃北海道へ戻る予定となっております。
会議後半では、前回に引き続き各実行委員が担当している新規パネルの進捗状況を報告し、実行委員同士ご指摘とご意見をいただきながら精査が行われました。これらのパネルは老若男女問わず一人でも多くの方に見てもらい、パネルを通して原発問題を人間の問題として考えていただくきっかけになる事を目的としております。パネルの性質上、文字数に限りがある中ではありますが、どのような表現において何を伝える事ができるのか、残り僅かの任期ではありますが、実行委員同士言葉を交わしながら鋭意作成を進めていく所存です。
会議終了後、引き続き「班内学習会」が開催されました。今回は御講師として、北海道大学名誉教授の小野有五(おのゆうご)氏にお越しいただきました。小野氏が専門とされている学問は「地質学」や「地理学」です。その研究者という立場から、「原発に関わる諸問題」と「核のゴミの地層処分に関わる諸問題」について御講義をいただきました。
講義では、現在原発再稼働に向けた動きが進められている泊原発についてお話があり、小野氏は、道内外の住民ら約1200人が起こした訴訟に関わっていると語られました。その訴訟の結果として、運転差し止めが認められ、再稼働は止められている段階であるという事でした。しかし、裁判所側からストップがかかっているにも関わらず、そこを無視するかのように再稼働に向けて舵を切りつづける現状に対し、強い懸念を示されていました。そして、その動きはどこまでも最終処分場に関わる問題へと繋がると語られました。寿都町と神恵内村で行われた文献調査が終了し、次の段階である概要調査に進めることが可能であるという判断がされましたが、小野氏の視点では、「活断層が存在する」という点、「地盤の悪さ」という点から見て、本来は「不適」ではないかと指摘されました。そして、この2つの出来事は「国策」という言葉で一括りにされ、次のように整理されていました。
「原発再稼働をさせましょう」→「再稼働をさせたら核のゴミが発生」→「既に大量の核のゴミが存在している」→「増え続ける核のゴミの行き場がない」→「だから早急にどこかに埋めましょう」
このような路線で「国策」として現在進められているのではないかと述べられました。
また小野氏は、「2011年3月11日に起きた福島第一原発の事故を通して、人間は原発の恐ろしさという事がわかったと思います。それでもなお、自分が生きている間は大丈夫だろう、そんなに事故は起きないだろうと、人間はどうしても楽観的な考えに流されてしまいがちなのではないでしょうか。また、核のゴミに関しても、十万年管理しなければ毒性が自然の状態には戻らない現実があります。十万年という時間は人間にとっては、想像も責任も及ばない時間なのでしょう。つまり、原子力は人間の能力を超えており、そもそも扱えるものではありません。それを使えるという人間の思いが間違いだったのではないかと思います」と語られました。
【※原子炉に入れる前の核燃料は、使用後、元の放射能レベル(天然ウランの状態)に戻るまで最大十万年かかるといわれています。】
全体では上記のご指摘を含め、戦争や水俣病など、人間の問題が繰り返し起こってきた歴史を再確認させていただきました。同時に、「不確かなもの」を間違いのない「確かなもの」として握りしめ続けていないかという問いが、私自身に鋭く迫ってきたように思います。
放射能は目には見えず、匂いもありません。だからこそ恐ろしいものであると学ばせていただいております。しかしそれだけではなく、目に見えないからこそ「恐ろしい」という事実が実感しにくく、それ故、簡単に「恐ろしい」という事実を見失っていってしまう危うさも孕んでいると、あらためて私自身に今感じております。
(報告者:黑萩貴仁)