2026.03.18
2026年3月4日から6日の日程で鹿児島県にて現地学習を実施しました。今回の目的は弾圧、禁制、社会的な圧力の中でも念仏の信仰に生きた人々に学ぶため、鹿児島のかくれ念仏の跡地などを訪ねました。
日程は、かくれ念仏についての研究論文を執筆された正縁寺住職・鳴一志氏のご講義、かくれ念仏の跡地のフィールドワーク、鹿児島別院で厳修された「九州教区宗祖親鸞聖人御誕生850年・立教開宗800年慶讃法要慶讃法要」において関連資料の一般展示を視察するといった内容です。
鳴氏の講義は、論文『本願念仏史観としての「薩摩かくれ念仏」の歴史~甑島真宗の濫觴を通して~』に沿った形で進められました。
その冒頭に「薩摩のかくれ念仏の歴史を尋ねようとする時、まず想像することは当時の過酷な法難の様子ではないでしょうか」と、「禁制とされる浄土真宗の教え、あるいは本願念仏の法義について、薩摩の民衆は秘密裏に大切にし、伝承してきました」とお話しいただきました。
私たちは「かくれ念仏」と聞くとどうしても悲劇の部分に注目しがちですが、本当は厳しい弾圧の中でも真宗の教えに生き、その信仰を失わなかった人々の歩み、それがかくれ念仏の歴史と教えられました。
フィールドワークでは知覧町のかくれ念仏の跡地(立山念仏洞・盗人穴)を西雲寺若院・鮫島太一氏に案内していただき、見学しました。
厳しい弾圧の中をかいくぐるため、人里離れた竹藪の中や沢のほとりの洞穴にご本尊をご安置し、隠れながらお参りしていたと説明していただきました。
また日程中、鹿児島別院では九州教区慶讃法要が厳修されていました。そこでかくれ念仏についての資料が一般展示されていました。
箪笥(タンス)の中に設けられたご本尊や、親鸞聖人と蓮如上人が一幅に描かれた掛け軸、当時の弾圧の状況を記した書簡など、数々の貴重な資料を拝見しました。
今回の現地学習を通して、先達たちが厳しい弾圧にさらされる中でも本願念仏の教えを守り通してきたご苦労が偲ばれ、現在まで確かに紡がれてきた念仏の伝承を教えられました。
(報告者:本澤 盛顕)